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昨日の産経新聞トップに、相続税の重課税は継続ないし強化の主張が掲載されました。
資産家の方々は、トンデモない主張と思われるかも知れません。
アメリカでは2010年には相続税を廃止するらしいのですのに日本はこの点では追随しないみたいです。

日本ではガソリンへの課税など、今後の環境問題を考えたらもっと重課税しておかしくないと考えることなく、とにかく税金は軽いほうが良いとの目先主張ばかりのように見えてしまいます。

そういうマスコミ的状況の中での東京大学の伊藤元重先生の主張でした。
伊藤先生は相続税について、毎年の亡くなられる方100万人のうち4万人ほどにしか課税されていない偏って重いことを知ったうえでの議論なのかあやしいのですが・・・・。

原文です↓


【日本の未来を考える】東京大・大学院教授 伊藤元重
2008.5.3 01:49

このニュースのトピックス:病気・医療
 ■貴重な「資産」の使い方

 後期高齢者の医療費負担と、東京都の2倍の面積といわれる耕作放棄された農地の存在。一見まったく関係ないこの2つのテーマについて、税という視点から一つの見方を提供したいと思う。

 税の専門家の間では、所得から徴税するのと、資産から徴税するので、どちらがより好ましいのかという議論が続けられている。私は資産からより多くの徴税をするという見方にひかれる。

 たとえば、農地を考えてみよう。一方で、一生懸命努力して耕作して所得を生もうとする農家がある。他方で、主たる所得は役場や工場などの所得にあり、農地は放置しておくか、手間をかけずに少しだけの収量をあげる兼業農家がある。

 もし、土地への税金が軽く所得への税金が重ければ、農業活動を専業とする農家には厳しい税となる。努力して収量をあげるほど税が高くなる。農地をあまり有効に利用しているとは思われない兼業農家や耕作放棄農家は農業所得が少ないのでその分税金が少ない。日本にとってかけがえのない資産である農地を有効に活用しようとする人ほど税金が取られ、あまり努力しない人の税負担が軽くなる、というのはおかしな制度だ。

 農業所得税を軽くし、農地により重い税をかけたらどうなるだろうか。その場合には、農地を有効に使う農家ほど税負担が小さくなる。耕作放棄地を持つ人や収量の少ない兼業農家は土地の税金負担が重くなるので、その土地をもっと有効に利用する農家に売るか貸すことになるだろう。資産税がより効率的な資源の利用を促すことになるのだ。

 では、高齢者医療問題に、この原理はどう当てはまるだろうか。そもそも拡大を続ける高齢者の医療を誰が負担するのか、という問題がこの根幹にある。今のままでは高齢者医療は財政的に破綻(はたん)してしまう。そこで誰かの負担を増やすことが必要となる。高齢者自身の負担を増やすのか、それとも現役世代の負担を増やすのか? 現役世代の負担を増やそうとすれば、消費税や医療保険負担をさらに引き上げることになる。そうした負担増は、現役世代に不公平感をもたらすだけでなく、経済活力をもそぐ結果になりかねない。

 では、高齢者の負担を増やすことは可能だろうか。高齢者負担を増やすべき、などと書けば、高齢者いじめなどといわれかねない。しかし、高齢者の年金所得からの天引きを増やすだけが方法ではない。よく知られているように、高齢者は膨大な資産を持っている。(負債を差し引いたネットの)金融資産の75%近くを60歳以上の人が、個人保有の不動産の75%が50歳以上の人によって保有されているのだ。ここに税をかけるのはどうだろうか。

 ただし、生前ではない。死亡時に課せばよい。資産を持っている高齢者も持たざる高齢者もいるだろう。しかし、高齢者全体で見れば、遺産相続税を重くすることで、現役世代の負担を減らすことができる。遺産相続人は自分たちの負担が増えると言うかもしれないが、そもそも資産は相続する人のものである以前に、高齢者のものではないだろうか。社会の貴重な資産が相続という形で一部の運のよい子孫に相続されるよりは、社会全体のために使われた方がよいという見方もあるだろう。(いとう・もとしげ)
2008/05/04 07:59|転載その他&日記TB:0CM:0

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