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わが国、最初の相続法令は鎌倉幕府が制定した「貞永式目」の中にあります。
それ以前は、そもそも私有財産が認められていません。
(律令体制とは公地公民制が基本ですから私有財産の処分相続などの問題が起こりえないのです。そうは言っても特権を持った皇族貴族は実質で財産を所有していた・・・脱線させて良いなら、人によっては興味津々の話ができそうに思います。・・・共産主義のソ連がどういうふうに崩壊したのかなど)

貞永式目の相続=財産分与の基本は;
・遺言書を尊重するのが原則
・遺言書がないときは、まず遺族が故人の考えを推量して決める。
・(以上までは法令以前なので式目に何ら規定がない)
・それでも決められないとか、不満ある人は幕府に訴える。
◎ここで幕府に財産分与の原則が決めてあったかというと、明確には決めてない。(これを決めることができると考えないほうが良いというのが昔も今も共通のようです。)

遺言書について、幕府が否認して別の財産分与を指定するのは「幕府に貢献している人物が不利にならないように(※)」というくらいなのだそうです。
(※)例えば、遠い鎌倉に出仕して幕府の仕事(例えば訴訟の受付相談)を、本人が一生懸命勤めていて幕府内部では高く評価されていた御家人も、地元の、親族たちはまったく評価しておらず、むしろ親不孝として不利な相続分の遺言書が出現というようなこともあった。

この貞永式目を制定した幕府執権・北條泰時自身は父からの相続にあたって母違いの弟たちの方が、父には可愛いかったであろうとして、自分の相続分の方を少なくしたというエピソードを残しました。(それ以前の承久の兵乱事件にあたって戦利恩賞を功績分配するにあたり総大将だったにもかかわらず自分自身は何も取らなかったという話もあります。)

実際に行われたところでは、始めは女子も含めての均分相続が原則だった。それを続けるうち、分割相続が進み幕府の御家人で、幕府の中心となるべき一族の長を保護する必要が出てきたため、惣領を重視する式目の追加修正が次々と出されました。

どうも当時の相続原則が何であるというなことは私にもよく分からないのですが、短期間に、規定が次々変更された状況からは、相続の仲裁ということに幕府の中心メンバーが平和的に解決しようと努力したことだけは推察できるのです。

こんにちでいうなら、法律による裁判というよりも当事者の仲裁を一生懸命に考えた調停のようなものと理解したほうが良いように思います。

ーーーーーーーーーーー

☆ここで、式目といって、鎌倉時代という昔の法令といいながら実はその後の幕府でも基本法令とされ続けた事情を知っておくことも大切なことなのです。

明治になって見かけの法令は、欧米から輸入がされたのですが、実は伝統としての幕府法令・式目の精神は長くながく、今も生きています。

例えば、民事事件の裁判は長引きます。裁判所は嫌がりつつ時間を長くかけて審理してくれます。民事裁判=長引くという原則は鎌倉時代以来なのです。

2006/08/31 14:23|転載その他&日記TB:1CM:1

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#|2006/09/03(日) 13:52 [ 編集 ]

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