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相続税率が高い、高過ぎと言う人は多いのですが、
昭和25年に突然、90%もの高率となった事情まで含めて言及する人を知りません。

ここに90%という税率への状況事情説明があります。
証人がいました。太宰治さんです。
斜陽太宰治著

1947(昭和22)年発表のこの人の小説・斜陽はこの年のベストセラーで「斜陽族」は流行語となりました。

この中でただ一箇所ですが新円切替・財産税という言葉が出てきます。

そうです。この財産税の最高税率が90%でした。

この小説は財産家が受けた衝撃の同時代証言なのです。

終戦直後、1946(昭和21)年2月に新円切替(=預金封鎖)ということが行われます。

当時、統制経済体制にありました。統制経済というのは、私はまだ幼児で「配給」という行列をしたくらいの記憶だけで、よくは知らないのですが、まあ共産主義経済のようなものです。
共産主義国の内情がもれ伝わった最初の頃、そういう話は私には理解しにくかったのですが、実は戦時中の日本のヤミ屋経済の実情話とソックリなのです。(言論が封殺されて流言飛語が流通したのもソックリ。)
物の需要供給で値段が決まらないで政府が指定した値段で売り買いされる建前でした。でも物がないのでした。お金は世の中に一杯存在します。物価上昇が発生することが予想できました。
対策として政府大蔵省日銀当局が実施したのが預金封鎖とともに新円切替です。
日本中のお金を新しいお金に切替ます。(といっても印刷する用紙やら不足しましたからシールを貼ったのです。)
そのお金・新円は預金引き出しでしか入手できないのです。預金は一ヶ月に5百円しか引き出せません。預金封鎖です。
旧円は預金するしかできません。通用させないのです。
そこまでが貧乏人まで含めた日本人(および外貨のない在日人)全体が影響されました。

さらに財産家には財産税が課税されたのです。昭和21年3月3日現在の全国財産調査が行われ一定以上の財産家には最高90%の税金が課税されたのでした。納付期限は昭和22年3月でした。

小説斜陽の最後の日付が昭和22年2月です。
作者太宰治の本名は津島修治。青森県津軽の多額納税大地主の津島源右衛門貴族院議員の六男。

まさにこの税金で実家が没落したのだと作者は証言しました。

翌1948(昭和23)年6月13日太宰治は心中。(過去に何度も自殺未遂しました。)

この時点では預金封鎖がまだ続いています。封鎖解除は7月でした。
斜陽太宰治著

(この続きの戦後改革を論じましょう。私はこの高率財産税こそ、戦後の諸改革の最強烈と思っています。今宵はこのあたりとさせていただきます。)

2006/07/23 22:20|取り返せ!相続税 固定資産税TB:0CM:0

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